04 Feb 2023
米雇用者数、予想大きく上回る51.7万人増-失業率53年ぶり低水準
米国では1月の雇用者数が予想以上に増加した。失業率は53年ぶりの水準に低下した。リセッション(景気後退)予想とは相いれない動きで、米金融当局に対し利上げ継続を求める圧力が強まった格好だ。
平均時給は前月比0.3%増、前年同月比では4.4%増加した。12月分は共に上方修正された。
雇用はセクターを超えて幅広く増加。娯楽・ホスピタリティーや専門職・ビジネスサービス、医療で特に増えた。
借り入れコスト上昇や消費需要の後退、景気見通しに対する全体的な不透明感にもかかわらず、雇用市場が力強さを維持していることが示された。労働力の需要は引き続き供給を上回り、賃金の強い伸び継続とさらなるインフレ高進につながる恐れがある。
労働参加率は62.4%に上昇。25歳から54歳までの労働参加率も上昇した。
この日の統計に使われた家計調査のデータには人口統計の年次更新が反映されているため、労働参加率と失業率の数字は前月と直接比較できない。
BMOキャピタル・マーケッツのシニアエコノミスト、サル・グアティエリ氏は「驚異的に強い雇用統計のために、リセッション不安とこの春にも利上げサイクルが終了するとの見方は実に疑わしくなった」とリポートで指摘した。
雇用者数と労働時間、時給などから算出する指数が1.5%上昇したことも、1月雇用統計の予想外の強さを映している。同指数は2020年以来の大幅な上昇となり、この先も米労働者が十分な購買力を維持することを示唆した。
(Source: Bloomberg)