7日投開票のフランス大統領選の決選投票で、独立系のマクロン前経済・産業・デジタル相が極右政党・国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン氏に圧勝した。欧州連合(EU)の結束は強まる見通しで、この1年間、米欧を席巻したポピュリズムの勢いは阻止された。
主要世論調査各社の予測によると、得票率はマクロン氏が約65%、ルペン氏が35%。ルペン氏は開票開始後間もなく、敗北を認めた。マクロン氏(39)が仏史上最年少で大統領に就任する。
マクロン氏はパリの自身の選対本部で支持者らに、「フランスの長い歴史の新たな1ページが今晩、開かれた。希望と信頼を取り戻す1ページにしたい」と呼び掛けた上で、「あなた方の多くが表したように、怒りや憂慮、疑念があることは承知している。深まる分断に対し、全力で闘う」と決意を表明した。
ブリュッセルを拠点とするシンクタンク、ブリューゲル研究所の上級研究員、アンドレ・サピル氏はインタビューで、「マクロン氏は新顔であり、フランスと欧州が必要としている再出発にうってつけだ。マクロン氏は欧州に大いなる希望をもたらす」と語った。
親EUでグローバリストのマクロン氏は、近年で最も激しい選挙戦の一つを経験し、分断したフランス国内の融和を図る必要がある。さらに高失業率と成長低迷に苦しむ経済の再建や、テロ対策、そして政治体制への信頼回復という難題も待ち受けている。 (Source: Bloomberg)