11月の米雇用者数は前月から伸びが加速。また労働力人口の減少を背景に失業率が下がり、9年ぶり低水準となった。賃金は予想外に低下した。
米労働省が2日発表した雇用統計によると、11月の非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比17万8000人増。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は18万人増だった。前月は14万2000人増と、速報値の16万1000人増から下方修正された。家計調査に基づく11月の失業率は前月から0.3ポイント低下し4.6%となった。労働参加率は2カ月連続で低下した。
JPモルガン・チェースの米国担当チーフエコノミスト、マイケル・フェロリ氏(ニューヨーク在勤)は「賃金は月ごとの変動が大きくなる可能性がある。今後の動きや賃金の伸びを考える上では、私としてはどちらかといえば失業率をやや重視する」と述べた。
労働参加率は62.7%と、前月の62.8%から低下した。このところ1978年以来の低水準付近で推移している。
フルタイムでの職を望みながらもパートタイム就労を余儀なくされている労働者や職探しをあきらめた人などを含む広義の失業率は前月から0.2ポイント下げて9.3%。これは2008年4月以来の低水準だが、前回のリセッション(景気後退)が始まる前の07年11月は8.4%だった。
民間部門の雇用者は15万6000人増。前月は13万5000人増だった。政府部門の雇用者は2万2000人増。